アメリカは「結社の技術」を失った
トクヴィルが称賛したアメリカ人の「結社の技術」は、現代では衰退の一途をたどっている。地域コミュニティや市民団体への参加率が過去最低を記録し、人々は政治的二極化と孤独に苛まれている。本稿は、この崩壊が民主主義の基盤を蝕んでいる実態を描き出し、ソーシャルキャピタルの回復こそが分断を乗り越える鍵であると論じる。
背景メモ
- 米国の政治学者ロバート・パットナムが2000年の名著『孤独なボウリング』で指摘した、市民団体や草の根コミュニティの衰退が今なお続いているという議論。同書は「ボウリングをする人は減ったがリーグ戦は消えた」という象徴的な例で、社会関係資本(ソーシャルキャピタル)の崩壊を論じた。
- 本稿はUnHerd(英国発のオンラインメディア、左派・右派両方の正統派に懐疑的な論客を掲載)に掲載。著者はパトリック・ダニーン(政治学者・外交官出身で伝統的共同体の価値を重視する論客)。
- 背景にあるのは、PTA・ロータリークラブ・組合・教会などの対面組織の会員数が1960年代以降激減し、代わりにオンラインでの細分化された活動や政治的分極化が進んだ米国の現状。
- この「繋がりの喪失」は、相互信頼・規範・ネットワークからなる社会関係資本の枯渇を招き、民主主義の機能不全や社会的孤立の原因として広く議論されている。