ヨーロッパ人のためのエクイティ(Equity)
米国のビジネスや金融で頻繁に使われる「エクイティ(equity)」という概念は、ドイツ語をはじめとする大陸ヨーロッパの言語に正確に翻訳することが難しい。この言葉には「法的な公平性」「財務的な残余価値」「所有権を通じた富と主体性の獲得」という3つの意味が同時に込められているが、ドイツ語ではそれぞれ異なる用語に分かれてしまい、日常的に使える包括的な言葉が存在しないからだ。歴史的に英米法(コモン・ロー)とエクイティ法廷の二重構造から発展したこの概念は、民法典中心の大陸ヨーロッパでは同じ発想が育たず、所有、リスク、インセンティブの考え方にも影響を与えている。