McMansions 101:McMansionが「悪い建築」とされる理由
マクマンション(McMansion)とは、広大な床面積に比して設計の一貫性やプロポーションが欠如した、現代アメリカの住宅建築スタイルを指す。本記事では、屋根の複雑さ、窓の不統一、エントランスの誇張など、マクマンションが「悪い建築」と評価される具体的な要素を図解とともに解説する。
背景メモ
- 「McMansion(マクマンション)」は、1990年代〜2000年代のアメリカ郊外で大量に建設された、大型で装飾過多な戸建て住宅を指す蔑称。建築用語ではなく、建築批評ブログ「McMansion Hell」が2016年に広めたネットミーム由来の概念。
- 著者のKate Wagnerは建築批評家で、本記事は連載「McMansions 101」の第1回。住宅を「貧しい人の大邸宅」と揶揄する視点ではなく、建築デザインの原則(プロポーション、素材の一貫性、ウィンドウの配置論理など)の観点から批判している点が特徴。
- 典型的なMcMansionの特徴:非対称で複雑な屋根線、複数の異なる窓スタイル、異なる外壁素材(レンガ+石材+ビニールサイディング)の無秩序な併用、無意味な装飾的切妻、エントランスの誇張(二階まで吹き抜けの大玄関)など。
- 背景には、アメリカの住宅建築が「建築家による設計」から「住宅メーカーによるカタログ商品」へと移行した1970年代以降の業界構造の変化がある。コミュニティの文脈や敷地条件を無視した「プラン・コレクション」方式が、こうした問題を量産した。