イラン、ホルムズ海峡通過船舶に保険加入を義務化、今後は通行料も課す見通し
イランはホルムズ海峡を通過する船舶に対し、同国が指定する保険への加入を義務付けた。この新たな措置は事実上の通行規制となり、今後は追加の通行料金が課される可能性もある。船舶運航者へのコスト増加や海峡通過の複雑化が懸念されている。
背景メモ
- イランは2025年5月、ホルムズ海峡を通過する船舶に対し、イラン側の保険加入を義務付ける新たな海事規制を発令した。この「通過保険」は将来的に通行料へ移行する可能性が高いと見られている。
- 背景には、イランの核開発を巡る米国との緊張再燃と、トランプ政権再任(2025年)による「最大圧力」政策の復活がある。保険料や将来の通行料収入は、経済制裁下で逼迫するイラン財政の穴埋めに使われるとの見方が強い。
- ホルムズ海峡は世界の石油輸送の約20%が通過する戦略的チョークポイント。イランは過去にも機雷敷設やタンカー拿捕で海峡を事実上「武器化」した前例があり、今回の措置も軍事行動ではなく海事法や保険制度を利用した間接的な支配強化と分析されている。
- 海運・保険業界は、この「イラン保険」が既存の国際戦争リスク保険(ロンドン市場など)と重複・抵触する可能性を懸念。船舶所有者はコスト増か、イラン保険を拒否して航行リスクを負うかの選択を迫られる。