ビッグテックが英国の不安を煽っている。なぜ?
米国の巨大ハイテク企業が英国で社会不安をあおっている背景を分析。プラットフォームの影響力拡大や規制の不備が、誤情報の拡散や社会的分断を深刻化させていると指摘する。
背景メモ
- FTが報じるこの記事は、英国で起きた極右・反移民暴動(2024年7月末~8月初め)と、それを煽動したとされるSNS上の偽情報を扱っている。サウスポートでの少女刺殺事件を受け、「イスラム教徒の不法移民による犯行」という虚偽の犯人が拡散され、各地でモスク襲撃や警察との衝突が発生した。
- イーロン・マスクはX(旧Twitter)上で「英国では内戦が不可避」と投稿し、さらにキア・スターマー首相の対応を批判。マスクの関与は英国メディアで大きく報じられ、政府高官は「外国のプラットフォーム所有者が民主的なプロセスを不安定化させようとしている」と非難した。
- 英国は2023年「オンライン安全法」を可決し、有害コンテンツの削除義務をプラットフォームに課したが、完全施行は2025年以降。現行法では違法コンテンツへの対応に時間がかかり、足元で偽情報が野放しになっているジレンマがある。
- 背景には、保守党政権下で加速した移民問題とそれに伴う社会の分断がある。2023年の純移民数は過去最高の約74万5千人。スターマー首相(労働党)は移民抑制を掲げつつも、表現の自由や過激取締りとバランスを取る難題を抱えている。