ガラス細工 #3:より良い熱電子ダイオード
前回の真空管はアノードとカソードの間にガラスが多く電子がガラスに蓄積してしまう問題があった。今回はフィラメントをアノードで包み込む構造に改善。タングステンワイヤーと銅箔を使い、ガラスビーズで位置決めしながら手作りで製作。4Vで1.1Wのヒーター電力に対し、200Vでの逆漏れ電流は22nAと良好。ただし高温域では残留ガスによるタウンゼント放電が発生し、特性が変化する現象も観測された。
背景メモ
- これは個人ホビイスト(Maurycy Z.)による自作真空管(熱電子ダイオード)の製作記録。前回の試作ではガラス壁に電子が帯電して電流がほとんど流れなかったため、今回はフィラメント(陰極)を陽極(アノード)で包む構造に改良している。
- 真空管(バルブ)は半導体以前の電子回路の基本部品。フィラメントを加熱して電子を放出させ、陽極への電圧で電流を制御する。今回作っているのは整流用の二極管(ダイオード)。
- 材料はホウケイ酸ガラス、タングステン線(フィラメントとリード線)、銅箔(陽極)。ガラス加工(ブローイング)とタングステンへの溶接が主な難所。真空ポンプはロータリーベーン式(高価なターボ分子ポンプは不要)を使い、10 Pa程度の粗い真空でも動作する。
- 記事の見どころ:高温で見られる「タウンゼント放電」的な異常動作の考察や、24時間経過後も真空が保たれているという経時データ。趣味の工作として非常にレベルの高い内容。