ワット・ライズ・ビニース(地熱エネルギー)
地熱エネルギーは、地球内部の熱を利用した安定した再生可能エネルギー源であり、気候変動対策として大きな可能性を秘めている。本稿では、最新の掘削技術や発電方式の進歩により、従来の限界を超えた地熱利用の拡大が可能になりつつある現状を解説する。特に、深度や地質条件の制約を克服する新技術が、世界のエネルギー転換に果たす役割に注目する。
背景メモ
・地熱発電は、地下深くの熱水や蒸気を利用する再生可能エネルギー。従来は火山地帯など限られた場所でしか採算が合わなかったが、ここ10年で米国やアイスランドなどでEnhanced Geothermal Systems(EGS)や超深度掘削技術が急速に進歩し、原理的にはどこでも発電可能になりつつある。
・本稿は、石油・ガス業界の水平掘削や水圧破砕(フラッキング)技術を地熱に転用することで、これまで不可能だった地域で大規模なベースロード電源(天候に左右されず24時間稼働できる電力)を安価に供給できる可能性を検討する。
・米エネルギー省の「Geothermal Everywhere」構想や、スタートアップFervo Energyなどが実際にネバダ州でEGSの実証試験を成功させており、石油メジャーやテック大手(Googleなど)も関心を示している。コストが太陽光+蓄電池と競合できる水準まで下がれば、脱炭素電源の選択肢が大きく広がる。