「まずはモノリスから」は良いアドバイスだった。AIがそれを変えている
従来、ソフトウェア開発では「まずはモノリス(一枚岩のアーキテクチャ)から始める」ことが定石とされていたが、AIの台頭によりその前提が覆りつつある。AIエージェントは自律的にコードを生成・変更できるため、最初から疎結合でモジュール化された設計が有利になるケースが増えている。本記事では、AI時代におけるアーキテクチャ設計のパラダイムシフトについて考察する。
背景メモ
• 「まずはモノリスから始めよ」は、ソフトウェア開発の長年の定石だった。アーキテクチャを最初から細かいマイクロサービスに分割するのではなく、単一の統合されたアプリケーションとして構築し、必要が生じてから分割するという教え。
• この原則が有効だった前提は、コードを書くのが人間であり、変更のコストが高かった時代のもの。サービス間の通信やデプロイの複雑さが、分割のメリットを上回っていた。
• しかしAI(とくにLLMを使ったコード生成・編集ツール)の登場により、大規模なコードベースの把握・修正・リファクタリングのコスト構造が劇的に変化。AIは細かく分かれたコンテキスト(小さなファイルや関数)を扱う方が得意で、巨大なモノリス全体を理解させるのは困難。
• 本記事は、AI時代には最初から「モジュール化されたモノリス」や「イベント駆動のマイクロサービス」といった、AIが扱いやすい粒度で設計すべきだと主張している。著名エンジニアリング組織の事例(Uber、AmazonのAPIファースト、Shopifyのモジュラーモノリス)に言及しつつ、今後のベストプラクティスが変わろうとしていると論じる。