ジョン・フォン・ノイマン著『コンピュータと脳』
『コンピュータと脳』は、数学者・コンピュータ科学者ジョン・フォン・ノイマンの未完の著書であり、脳の神経構造とコンピュータのアーキテクチャを比較・対比した先駆的な著作である。彼は神経系のアナログ的な性質とデジタルコンピュータの本質的な違い、そして両者の情報処理の類似性について考察を展開した。この書物は晩年のフォン・ノイマンがシルマン記念講演のために準備した草稿をもとに、死後1958年に出版された。
背景メモ
数学者・物理学者ジョン・フォン・ノイマン(1903-1957)の遺著。コンピュータと人間の脳の構造的・機能的な類似点と相違点を、1950年代当時の神経科学と計算機科学の知見をもとに比較している。フォン・ノイマンは現代のコンピュータ設計の基礎となる「プログラム内蔵方式(フォン・ノイマン・アーキテクチャ)」を考案した人物。本書では、脳が並列処理とアナログ的な信号処理を行っているのに対し、当時のコンピュータは逐次処理とデジタル論理に依存している点が指摘され、後のニューラルネットワークやAI研究に大きな影響を与えた。原著は1958年に刊行。