欧州と北アフリカ、初の海底電力連系線を建設へ
欧州と北アフリカを結ぶ初の海底電力連系線プロジェクトが発表された。この画期的な事業は、地中海を横断して再生可能エネルギーを輸送するもので、両地域のエネルギー安全保障強化と脱炭素化推進に貢献すると期待されている。
背景メモ
- 地中海を横断する世界最長クラスの海底送電ケーブル計画。欧州(イタリア・シチリア島)と北アフリカ(チュニジア)を結び、総延長は約1,000kmに及ぶ。完成すれば両地域間初の海底電力連系となる。
- 主な目的は北アフリカの太陽光・風力で発電した再生可能エネルギーを欧州に送ること。欧州側は脱炭素目標(欧州グリーンディール)達成とエネルギー安全保障強化を狙い、北アフリカ側は外貨獲得と再生可能エネルギー輸出産業の育成を見込む。
- ELMED(チュニジア-イタリア間)と呼ばれ、欧州連合(EU)が「重要プロジェクト」(PCI)に指定。事業費は約10億ユーロ超と見積もられ、欧州投資銀行(EIB)などが融資を検討している。
- 地中海を挟んだ電力連系自体は1990年代から構想があったが、技術的難易度(深海域での高圧直流送電)や政治・規制面の障壁から実現しなかった。近年、太陽光パネル価格低下や海底直流送電(HVDC)技術の成熟で実現可能性が高まっている。
- 類似構想として、英モロッコ間の「Xlinks」プロジェクト(約3,800km、世界最長)も進行中だが、こちらは認可や資金調達に時間を要している。