Jim Keller:AIはいまだ旧来のコンピューティングの法則に従う
TenstorrentのCEOジム・ケラー氏が、同社のBlackholeチップによるAIスケーリング戦略、IPOの野心、そしてAI業界がまだ従来のコンピューティングの法則から逃れられていないとする持論を語った。アーキテクチャの革新とオープンエコシステムの重要性を強調し、エヌビディア一強の市場に挑む姿勢を示している。
背景メモ
半導体業界の伝説的アーキテクト、ジム・ケラー(Jim Keller)──AMDのZenアーキテクチャやAppleのA4/A5チップ、TeslaのAutopilot HWを手がけた経歴を持つ──が率いるTenstorrentは、AIアクセラレーターの新興企業。同社の最新チップ「Blackhole」は、NVIDIAのGPU中心のAI市場に対し、スカラー・ベクター・テンソル各演算を効率良く実行する独自アーキテクチャで挑む。ケラーは本インタビューで「AI需要が爆発しても、電力やメモリ帯域といったコンピューティングの物理的限界は変わらない」と指摘し、過度な楽観論に警鐘を鳴らす。また、TenstorrentはRISC-VベースのCPUコアを自社開発し、オープンなソフトウェアスタック(TT-Metaliumなど)を提供することで、CUDAロックインに対抗する戦略をとる。IPO(新規株式公開)も視野に入れ、2024年後半にはBlackholeの量産出荷を開始している。