IBM、0.7nmプロセスノードを発表、「NanoStack」を導入
IBMが次世代半導体技術として0.7nmプロセスノードと新たな「NanoStack」アーキテクチャを発表。NanoStackは従来のFinFETに代わる積層型トランジスタ構造を採用し、更なる微細化と省電力化を実現する。この技術は半導体業界におけるムーアの法則の延命に貢献すると期待されている。
背景メモ
半導体業界では、微細化が進むにつれて従来の「何ナノメートル(nm)」という数値は実際の物理寸法ではなく、各社が性能向上を表現するマーケティング的な指標になっている。IntelやTSMC、Samsungといった主要ファウンドリは現在2nm〜3nm世代の量産段階にある。IBMは製造そのものではなく研究開発に特化しており、自社でチップを大量生産せずとも、いわば「ショーケース」として最先端プロセス技術を発表することがある。今回IBMが発表したのは「0.7nm」(=7オングストローム)という極めて小さいノードと、「NanoStack」と呼ばれる新たなトランジスタ積層技術。背景には、従来のFinFET構造では性能向上の限界が見え始めており、垂直方向にトランジスタを積むCFET(相補型電界効果トランジスタ)方式への移行が模索されている事情がある。ただし0.7nmはまだ実験室段階のロードマップ上の数字であり、量産には数年を要する可能性が高い。この発表が注目されるのは、IBMが3年前に世界初の2nmチップ試作を発表した実績を持ち、その後の業界の微細化競争の方向性に影響を与えてきたからである。