アラン・チューリングの驚くべき、ほぼ忘れられた音声暗号化装置
アラン・チューリングが第二次世界大戦後、極秘に開発した音声暗号化装置「デリラ」の知られざる物語。エニグマ解読で知られるチューリングが、電話回線を通じて暗号化された音声をリアルタイムで送信する革新的なシステムを構築した。しかし、プロジェクトは完成目前で中止され、長く埋もれた歴史を持つ。
背景メモ
- アラン・チューリングは第二次大戦中、ドイツの暗号機エニグマを解読した数学者・計算機科学者。戦後はナショナル・フィジカル・ラボラトリー(NPL)や政府通信本部(GCHQ)で暗号・音声処理の研究を続けたが、同性愛行為で有罪となり1954年に没。近年まで機密指定で詳細が不明だった業績の一部が、徐々に公開されている。
- Delilah(デリラ)は1944〜45年にチューリングが設計した音声暗号化装置。通話をリアルタイムでスクランブルし、受信側で復号する。当時の真空管回路で実装され、携帯ラジオ程度のサイズ。ベル研究所など米国の競合プロジェクト(SIGSALY)より小型で低遅延だったが、実戦投入前に戦争が終了した。
- 本記事が取り上げるのは、この装置の技術的詳細と「なぜ忘れられたか」の経緯。ハッカデイはハードウェア工作・レトロ技術系のコミュニティメディアであり、チューリングの理論面でない「実機工作」の視点から掘り下げている点が特徴。