アメリカの交通自動化の格差を解消せよ
米国は公共交通の自動化技術で他国に大きく後れを取っており、この「自動化ギャップ」が経済競争力や公共交通の効率性に悪影響を及ぼしている。自動運転バスや鉄道の自動運行システムなどの先進技術への投資を加速し、規制の整備と官民連携を強化することで、この格差を解消し、米国の交通インフラを近代化する必要性を論じている。
背景メモ
- 米国の公共交通機関(地下鉄・LRTなど)は自動運転技術の導入で世界に大きく遅れている。パリ、ドバイ、シンガポール、北京など多数の都市が無人運転を標準にしているのに対し、米国ではまともな自動化路線はほぼ存在しない。
- IFP(Innovation Frontier Project)は米国の技術競争力向上を訴えるシンクタンク。本稿は「車両そのものの自動運転(AV)」ではなく「線路を走る鉄道の自動化」がテーマ。
- 自動化の最大の壁はコストではなく、強力な運輸労組や安全規制を所管するFTA(連邦交通局)の保守性とされている。全米で最初で唯一の大規模無人地下鉄は1990年代開業のデトロイト・ピープルムーバー(全長5km弱)のみ。
- 人手による運転から自動運転への移行が進まない結果、運行頻度が低く、人件費に予算を取られ、サービス改善の余裕がない悪循環を指摘。自動化は車掌の解雇ではなく、高頻度運転による利用者増と労働条件改善への布石と論じている。