1973年、8人の健康な被験者が単一の幻覚症状を偽装
1973年、スタンフォード大学の心理学教授が8人の健康な被験者を12の精神病院に送り込み、単一の幻覚症状を偽装させた後は正常に振る舞うよう指示した実験。この研究は精神医学的诊断の信頼性に疑問を投げかけ、医療現場でのラベリング効果を明らかにした画期的な社会心理学実験として知られている。
背景メモ
- これは「ローゼンハン実験」(Rosenhan experiment)として知られる、心理学史上もっとも有名な実験の一つを扱った記事です。
- 1973年、スタンフォード大学の心理学者デイヴィッド・ローゼンハンが、8人の健康な被験者(偽患者)を12の精神病院に送り込み、「空っぽの声が聞こえる」という一つの幻聴症状だけを偽装させたあと、それ以外はすべて普通に振る舞わせました。
- 結果として、彼らは全員が「統合失調症」または「躁うつ病」と診断され、入院期間は7〜52日に及びました。退院時も「統合失調症は寛解中」と記録され、健康だったという評価は一度も下りませんでした。
- この実験は精神科診断の信頼性と妥当性に根本的な疑義を投げかけ、診断バイアス(健康な人を病人と誤認する傾向)と、精神科ラベルの強力な社会的影響を実証したとして、大きな議論を巻き起こしました。
- この記事は、その実験の詳細と結果を簡潔にまとめたものです。