超大質量ブラックホールの周りを公転する星々の20年タイムラプス映像
銀河系の中心にある超大質量ブラックホール「いて座A*」の周りを公転する星々の軌道を、20年にわたって撮影したタイムラプス映像。ブラックホールの重力が恒星の動きに与える影響を可視化しており、天文学における画期的な観測成果を示している。
背景メモ
- 欧州南天天文台(ESO)が公開した、天の川銀河の中心にある超巨大ブラックホール「いて座A*(Sgr A*)」の周りを公転する恒星の20年にわたる観測を合成したタイムラプス動画。実際の赤外線画像をつなぎ合わせたもので、シミュレーションではない。
- Sgr A*は太陽の約400万倍の質量を持ち、銀河全体の重力の中心。そのごく近傍を周回する恒星(特に「S2」として知られる星)の軌道は一般相対性理論の影響を無視できず、ニュートン力学からのズレ(近星点移動)が実際に観測されている。
- この観測はチリのパラナル天文台にある超大型望遠鏡(VLT)とその補償光学装置を用いて行われた。大気のゆらぎをリアルタイムで補正することで、ブラックホール周辺の極めて暗い領域を可視化している。
- 2020年のノーベル物理学賞は、このSgr A*の発見(銀河中心に超巨大ブラックホールが存在する証拠)に貢献したゲンツェルとゲズに、ブラックホールの理論研究でペンローズとともに贈られている。