ヨーロッパの熱波、最も致命的となるのはどこか
欧州を襲う熱波による死亡率は地域によって大きく異なる。気温上昇に加え、高齢化率やエアコン普及率、医療インフラの整備状況が被害の深刻さを左右する。特に南欧と東欧の一部地域で死者数が急増するリスクが高い。
背景メモ
ヨーロッパでは気候変動により熱波の頻度・強度・期間が増大している。特に南欧・中欧では夏季の異常高温が常態化しつつあるが、地域によって熱波に対する「脆弱性」は大きく異なる。脆弱性を決める要素としては、(1)高齢者人口比率(高齢者は熱中症・循環器疾患のリスクが格段に高い)、(2)エアコンの普及率(北欧は低いが南欧は比較的高い)、(3)緑地・日陰の有無や都市設計(ヒートアイランド現象)、(4)医療体制の質とアクセス、が挙げられる。過去の大規模熱波としては2003年の欧州熱波(フランス中心に7万人超の死者)や2022年の欧州熱波(6万人超の超過死亡)が記憶に新しい。本記事は「単位人口あたりの死者数」の予測モデルに基づき、次なる熱波でどの地域が最も致命的になりうるかを可視化したもの。単なる気温の高さだけでなく、社会経済的な準備態勢の差が生死を分けるという警鐘が背景にある。