いかにして欧州は熱中症死者数の世界チャンピオンになったか
欧州では気候変動による熱波の影響で熱中症による死亡者が急増し、世界でも最も高い死亡率を記録している。都市設計や建物の断熱構造、エアコン普及率の低さなどが原因で、気温上昇に対する脆弱性が高まっている。本記事は欧州が熱中症死者数で世界最多となった背景を分析し、今後の対策の必要性を論じている。
背景メモ
- 気候変動により欧州は世界平均の約2倍の速度で温暖化しており、特に南欧(スペイン、イタリア、ギリシャ、ポルトガル)では熱波の頻度と強度が急増している。
- 2022年夏季だけで欧州で6万人超の「熱関連死亡超過」が推定され、この数値は欧州が人口比で世界最悪の熱波死亡率であることを示す。
- 主因は高齢化社会(65歳以上が人口の20%超)と、冷房普及率の低さ(南欧でも住宅用エアコン普及率は50%未満の国が多い)にある。
- 過去の熱波(2003年仏・7万人死亡、2010年露・5.5万人死亡)の教訓から一部の都市は「熱波行動計画」を導入したが、対策は地域ごとにばらつきが大きく、構造的な都市設計(緑地増加・断熱建材など)の改革は遅れている。