ドイツ人、ナチスの過去を調査——極右は「前に進め」と促す
ドイツでは、自らの家族や国がナチス時代にどのような役割を果たしたのかを調査する人が増えている。しかし、極右勢力は歴史の反省をやめ「過去を乗り越える」よう主張しており、両者の間で深刻な対立が生まれている。本記事は、過去の罪と向き合うことの重要性と、それを否定する動きの高まりを描く。
背景メモ
ドイツでは近年、自身の家族がナチス時代(1933〜1945年)にどのような関わりを持ったかを調べる「家族史調査」が広がっている。公的機関やオンラインアーカイブの整備が進み、一般市民が祖父母や曾祖父母の戦時中の行動——加害者としての関与も含め——を追跡しやすくなった。背景にあるのは、ドイツが戦後一貫して「過去の克服(Vergangenheitsbewältigung)」を国家の責務としてきた歴史認識の伝統だが、同時に極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」などが「終止符を打つべきだ」と過去への向き合い方そのものを否定する動きを強めている。この記事は、個人レベルでの過去の掘り起こしがなぜいま注目されているのか、そして歴史の反省を拒む勢力の台頭がドイツの「記憶の文化(Erinnerungskultur)」に突きつける緊張関係を描く。