米国250周年向け新型原子炉に安全上の懸念
米国建国250周年に向けて新型原子炉の導入計画が進む中、安全性を巡る議論が活発化している。従来型原子炉とは異なる設計の小型モジュール炉などが注目される一方、事故リスクや廃棄物処理への懸念から専門家の間で意見が分かれている。
背景メモ
- アメリカ合衆国建国250周年(America 250)記念事業の一環として、老朽化した原子力発電所の新設・再稼働が計画されている。背景には、電力需要の増加と脱炭素目標の達成という二つの圧力がある。
- 問題となっているのは、従来の大型炉ではなく「小型モジュール炉(SMR)」と呼ばれる新型原子炉。設計・建設の簡略化でコスト削減を謳うが、実用化された例は世界にまだほとんどない。
- 安全規制の面では、従来の大型炉を前提に作られた米国原子力規制委員会(NRC)の枠組みが、新型炉の特性(冷却方式の違い、事故時に放出される放射性物質の挙動など)に合っていないとの専門家の指摘がある。
- 2025年に成立したADVANCE法によりNRCの審査プロセスが加速されたが、迅速化と安全性のトレードオフを懸念する声が上がっている。
- 過去の米国原子力建設プロジェクト(例:ジョージア州ボーグル原発)では巨額のコスト超過と遅延が発生しており、新型炉でも同じ轍を踏むリスクが認識されている。