令状なし、理由なし、通知なし:カナダの新たな通信遮断権
カナダ政府が新たに導入した権限により、令状や理由の説明、事前通知なしに国民をインターネットから強制的に遮断できるようになる。この「ディスコネクト・パワー(通信遮断権)」は、表現の自由や情報アクセスに対する重大な脅威として批判を集めている。
背景メモ
- カナダ政府が2025年4月に成立させた放送・通信法改正(Bill C-11/C-18関連の執行強化措置)の一環として、規制当局CRTCに「理由・令状・事前通知なし」で個人や組織をインターネットから切断する権限が付与されたと報じられている。
- この権限はもともと「有害コンテンツ対策」や「著作権侵害対策」として説明されていたが、批判派は政府の判断だけでサイトやアカウントへのアクセスを遮断できる包括的ツールになり得ると警告。
- 背景には、カナダ政府と大手プラットフォーム(Google・Meta)をめぐる「オンラインニュース法(Bill C-18)」を巡る対立がある。Metaは同法に抗議しカナダ国内のニュース配信を停止。今回の「切断権限」はこうしたプラットフォームへの対抗手段とも解釈されている。
- トランプ政権期のアメリカでも同様の試みがあったが法的に頓挫。カナダは民主主義国として初めて、司法審査を経ずに政府が国民をネットから「隔離」できる制度を導入した点で国際的な前例となり得る。