中空コアファイバーの試験、信号再生なしで128マイル(約206km)にわたり51.3TB/sの伝送を達成
中国の研究チームが、中空コアファイバー(Hollow-core fiber)を用いた大容量伝送試験で、信号再生なしに51.3Tbpsのデータを約206km(128マイル)伝送することに成功しました。この技術は、AI時代のネットワークボトルネック解消に向けた重要なマイルストーンとされています。
背景メモ
中国の研究チームが、中空コアファイバー(Hollow-Core Fiber, HCF)を使った実証実験で、1本の光ファイバーあたり毎秒51.3テラビット(TB/s)のデータ転送に成功した。伝送距離は約128マイル(約206km)で、途中での信号再生成(中継増幅)を一切必要としなかった。
- **中空コアファイバー(HCF)**:従来の光ファイバーはコア部分がガラス(固体)だが、HCFは文字通り中空(空気または真空)。光の伝搬ロスが理論上はるかに低く、レイテンシ(信号遅延)も約1.5倍速い。ただし実用化には製造コストや接続の難しさという壁がある。
- **バックグラウンド**:Huaweiなど中国の通信大手は、HCFを次世代AIデータセンター間の基幹回線と想定。今回の実験は中国移動(China Mobile)や清華大学などが参加する国家プロジェクト。既存の海底ケーブルや長距離光ファイバー網の代替・補完を狙う。
- **なぜ重要か**:AIモデルのトレーニングや推論には、データセンター間で大量データをやり取りする必要がある。従来ファイバーでは数百キロごとに信号増幅器が必要で、これがレイテンシとコストのボトルネックになる。HCFが実用化されれば、GPUクラスターの地理的分散が容易になり、AIインフラ全体の効率が飛躍的に向上する可能性がある。
- **注意点**:実験室レベルの成果であり、大量生産や既存設備との互換性などの課題は未解決。商業展開はまだ数年先と見られる。