業績予想はステロイド漬け
ウォール街のアナリストたちが企業の業績予想を過大に引き上げており、本来の実力以上のハードルを課している現状を報じる。過度に楽観的な予想は株価バブルを招くリスクがあり、投資家は冷静な判断が求められている。
背景メモ
- WSJの本記事は、米国企業の業績予想(アナリストによるEPS見通し)が異常に過大になっている現象を指摘している。具体的には、S&P500企業の将来の利益予想が、過去の実績や実際の経済指標と乖離するほど楽観的になっている。
- この背景には、AIブームへの過度な期待がある。企業が「AI関連」と称するだけで株価が上昇する市場環境下で、アナリストも高めの予想を出しやすくなっている。また、経営陣が自社株買いやコスト削減でEPSを人為的に底上げするインセンティブも働く。
- 問題は、これが「下方修正のリスクを小さく見せる」効果を持つこと。過大な初期予想に対し、実際の決算が「そこまで悪くなかった」というだけでポジティブに受け止められ、株価が維持されるという循環が生まれている。
- このテーマを理解するには、Wall Streetの「コンセンサス予想」が株価形成に与える影響(サプライズ効果)や、2000年代初頭のITバブル期にも同様の予想インフレが起きた経緯を知っておくとよい。