科学者らが推定、昆虫種は従来の3倍となる2000万種存在する可能性
科学者らは、地球上に生息する昆虫の種数がこれまで考えられていたものの最大3倍、最大2000万種に上る可能性があると推定している。研究チームは新しい統計モデルを用いて分析した結果、未発見の昆虫が大量に存在し、特に熱帯地域に多く生息している可能性が高いと結論づけた。この発見は、生物多様性の理解と保全に重要な示唆を与える。
背景メモ
- 地球上に生息する昆虫の総種数が、従来の推定(約600万〜700万種)の3倍にあたる約2000万種に達する可能性があるとする研究結果を紹介する記事。
- 背景には、昆虫分類学の根本的な問題がある。既に記載・命名されている種は約100万種だが、未発見・未分類の種が圧倒的に多く、熱帯地域(特に樹冠部)など調査が行き届いていない場所では新種が続々と見つかっている。
- 従来の推定方法は主に「専門家による既知種からの外挿」に依存していたが、今回の研究はDNAバーコーディング(遺伝子配列による種判別)や統計モデルを大規模に活用し、より精度の高い推定を試みた点が新しい。
- この議論は生物多様性の保全政策にも直結する。種数が増えれば、未知のまま絶滅する種も多いと想定され、保護の優先順位や資源配分の再検討が必要になる。
- 主要著者や研究機関は記事内で言及されているが、昆虫学や保全生物学の専門家であれば知っておくべき「Linnean shortfall」(記載種と実際の種数のギャップ)や「Wallacean shortfall」(分布情報の不足)といった概念がこの研究の背景にある。