SCOTUS判決:法執行機関による「ジオフェンス令状」の使用は「捜索」にあたる
米最高裁は、法執行機関が携帯電話の位置情報を広範囲に収集する「ジオフェンス令状(地理的範囲指定令状)」の使用は、憲法修正第4条が定める「捜索」に該当するとの判断を示した。この判決は、プライバシーとテクノロジー捜査の境界線を再定義する重要な先例となる。
背景メモ
- **Geofence warrant(地理的囲い込み令状)**:Googleなどの企業が保有する端末位置情報データに対し、特定の範囲・期間にその場所にいた全ユーザーの匿名化データをまず取得し、その後で容疑者を特定する手法。従来の令状が特定の人物を対象とするのに対し、これは「まず場所ありき」で無関係な大量の人物も巻き込む点が問題視されてきた。
- **本判決の意義**:連邦最高裁(SCOTUS)が、この手法は修正4条(不当な捜索・押収からの保護)が定める「捜索(search)」に当たると判断。これにより、今後は警察がgeofence warrantを執行する際、より厳格なprobable cause(相当な理由)の立証と、対象範囲の正当化が求められる可能性が高い。
- **Carpenter判決との連続性**:2018年のCarpenter v. USで最高裁は、携帯電話の基地局情報(CSLI)の長期間取得には令状が必要と判断した。本判決はその論理を位置情報検索の文脈に拡張したものと見られている。
- **実務への影響**:全米の警察が殺人や暴行事件の捜査で日常的に使ってきた手法が憲法上の制約を受けることになり、今後の捜査実務とプライバシー法の転換点となる可能性がある。