中国の「グリーン・グレートウォール」:660億本の木々が自然林より速く成長
中国が砂漠化防止のために造った「グリーン・グレートウォール(三北防護林)」で、植林された約660億本の木々が自然林よりも速いペースで成長していることが研究で明らかになった。人工林の炭素吸収能力は予想以上に高く、地球規模の気候変動対策に貢献している。
背景メモ
- 「Great Green Wall」(グレート・グリーン・ウォール)とは、中国が1978年に開始した「三北(さんぼく)防護林プロジェクト」の通称。砂漠化が進む西北・華北・東北の三地域に防風・防砂のための大規模な帯状森林を造成し、砂嵐(黄砂)の抑制と生態改善を図る世界最大の植林計画。
- 対象地域は中国の国土面積の約42%におよび、2060年までに総面積約3億5000万エーカー(日本の国土とほぼ同程度)の森林を造成する目標。これまでに約660億本の樹木が植えられたとされる。
- 今回の研究(北京林業大学など)は、衛星データと現地調査をもとに、この人工林が自然林よりも二酸化炭素吸収量が多く、成長速度(炭素固定量の増加)も速いことを示した。ただし、自然林の生物多様性や長期的な生態系サービスとは性質が異なる点に留意が必要。
- 背景として、中国は世界最大の二酸化炭素排出国であり、同時に植林による炭素吸収源の拡大を国策として推進。このプロジェクトの効果測定は、排出削減努力に対する批判や国際的なCO2収支の議論に直接関係する。