最高裁、位置情報データは憲法の保護対象と判断
米連邦最高裁は、携帯電話の位置情報データを政府が令状なしに収集することは憲法修正第4条に違反するとの判断を下した。この判決は、デジタル時代におけるプライバシー権の重要な前例となり、ユーザーの同意なしに位置情報にアクセスする政府の取り組みに制限を課すものとなった。
背景メモ
米国連邦最高裁判所が、位置情報データの取得には原則として令状(裁判所の許可)が必要だと判断した。これまで政府は、第三者の記録(携帯電話会社が持つ基地局データなど)は「共有した情報」として修正第四条(不合理な捜索・押収の禁止)の保護外と主張してきたが、本判決はその解釈を覆すものとなった。
- 修正第四条(Fourth Amendment): 不合理な捜索・押収から「人、家、書類、所持品」を保護する米国憲法の条文。裁判所が長年、監視技術の進展に応じてその射程を拡大してきた。
- 第三者法理(third-party doctrine): 「自ら進んで第三者に情報を渡したなら、もはやプライバシーは期待できない」とする判例理論。本判決はこれを位置情報に適用することを否定した。
- 背景: 2018年「Carpenter v. United States」で最高裁は携帯基地局データ(127日分)に令状を要求。本件はその射程をさらに明確化し、リアルタイムの位置情報追跡や短期間のデータにも及ぶ可能性がある。
- 実務的意義: 法執行機関が位置情報を手軽に入手できなくなるため、捜査手法の変更を迫られる。また、データブローカー経由で政府が位置情報を購入する慣行にも懸念が強まっている。