ヴェラ・C・ルービン天文台、史上最大の宇宙ムービーの撮影を開始
ヴェラ・C・ルービン天文台が、10年にわたって南半球の星空を毎夜観測する「レガシーサーベイ・オブ・スペース・アンド・タイム(LSST)」を正式に開始した。このプロジェクトでは、世界最大級の32億ピクセルデジタルカメラを用いて、これまでにない詳細な宇宙の動画を記録し、ダークマターやダークエネルギーの謎に迫る。
背景メモ
- 米国国立科学財団(NSF)とエネルギー省(DOE)が運営するヴェラ・ルービン天文台が、チリ・セロパチョン山頂で本格的な観測を開始した。最も特筆すべきは、世界最大のデジタルカメラ(32億画素、車一台分の重量)を搭載している点。
- このプロジェクトは、10年にわたり南天全体を3夜おきに繰り返し撮影する「Legacy Survey of Space and Time(LSST)」を実施する。目的は、ダークエネルギー・ダークマターの解明、太陽系内の小惑星(地球接近天体含む)の網羅的マッピング、銀河形成の理解など。
- 名前の由来は、暗黒物質の存在を示す証拠を初めて提示した天文学者ヴェラ・ルービン。彼女の功績を記念し、旧称LSSTから改名された経緯がある。
- 他の天文台(ハッブルやジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)が特定の天体を深く観測するのに対し、ルービンは「広さ」と「時間軸」を重視。夜空全体を広く・頻繁に撮ることで、超新星爆発や小惑星移動など「動く・変わる天体」を捉える点が最大の特徴。
- 建設には20年以上、総額数十億ドルを要した。2024年5月に試験的な「エンジニアリング観測」を開始し、今回の発表で本運用フェーズへ移行したことを意味する。