AIネイティブなワークフローには「堀」の問題がある
AIを前提としたワークフロー(AIネイティブワークフロー)の急増により、競争優位性を維持するための「堀(モート)」の構築が難しくなっている。本記事では、AI技術の民主化が進む中で、企業が持続可能な差別化要因をどう築くべきかを考察する。
背景メモ
- AI-native workflowとは、従来のソフトウェアのように人間が固定の手順を設計するのではなく、LLMなどのAIがタスクの遂行方法を動的に判断・実行する仕組みのこと。
- 「堀(moat)」はビジネスの持続的競争優位性を意味する投資用語。強い堀を持つ企業は模倣が難しく利益を守れる。
- 現状のAIワークフローはプロンプトやモデル、ツールの組み合わせで成り立っており、第三者がプロンプトをコピーしたり、同じモデルをAPI経由で使えば容易に再現できてしまうため、技術的な堀がほぼ存在しない。
- この問題は、OpenAIやAnthropicなどの基盤モデル提供企業がモデルをアップデートするたびに、その上に構築したワークフローが突然動かなくなる「モデル依存リスク」とも密接に関連している。
- 真の堀を築くには、独自データの蓄積・ドメイン特化のフィードバックループ・深い業界インテグレーションなど、モデルやプロンプト以外の要素が必要という議論が業界で活発化している。