2000年から2019年における最適でない環境温度に関連する死亡率
本研究は、2000年から2019年までの世界・地域・国別の非至適環境温度に関連する死亡率の負担を、三段階モデリング手法を用いて推定した。その結果、温度関連の超過死亡の大部分は寒冷によるものであるが、気候変動の進行に伴い高温による死亡リスクが増加していることが明らかになった。
背景メモ
- 本研究(Lancet Planet Health 2021)は、世界204か国・地域を対象に、2000~2019年の非至適温度(暑すぎ・寒すぎ)に関連する超過死亡を推計したもの。従来の気温と死亡の関連研究を拡張し、世界全体で年間約500万人の超過死亡が非至適温度に起因すると試算した。
- 寒冷が暑熱よりはるかに大きな死亡負荷をもたらすこと(約10:1)、また地域ごとに至適温度が異なること(高緯度ほど低温に慣れている)を定量的に示した点が重要。
- 気候変動に伴い、寒冷による死亡は減少し暑熱による死亡は増加する可能性が高いが、現在の死因の多くが寒冷由来であるため、温暖化が全体の温度関連死亡を単純に増やすかどうかは議論が分かれる。本論文はそのベースラインとして広く参照されている。