ウェブ広告のエネルギーコスト
本研究は、ウェブサイトに表示される広告が消費するエネルギー量を定量化し、広告ブロッカー使用時との比較分析を行った。調査の結果、広告を含むページの読み込みは、広告をブロックした場合と比べて平均で約2倍のエネルギーを消費することが明らかになった。この研究は、デジタル広告がユーザー体験だけでなく、環境面にも与える影響を浮き彫りにしている。
背景メモ
- 本論文は「先進的コンピューティングシステムに関する国際会議(ASPLOS 2025)」で発表された査読付き研究で、ウェブ広告が消費するエネルギー量を実測・定量化した初めての大規模実証研究。
- 既存研究は広告のプライバシー問題やページ読み込み速度への影響に焦点を当てていたが、エネルギー消費という観点からの評価はほとんど行われていなかった。
- 研究チーム(メイン著者は当時博士課程学生のジェシカ・ソレンセン氏ら)は、200以上のニュース・ECサイトを対象に、広告ブロッカー有無での電力消費を比較測定。CPU使用率・ネットワーク転送量・バッテリー消費などを実機で計測。
- 主要な発見:広告・トラッキングコードがページ総エネルギーの最大で約40%を占めるケースがあること、特に動画自動再生広告や高頻度のリアルタイム入札(RTB)が主要な原因であること、モバイル端末ほど相対的コストが大きいこと。
- この研究は、持続可能なウェブ(Sustainable Web)設計や、規制当局のエネルギー効率基準策定へのエビデンス提供につながると注目されている。