「タイタンは実際、人類にとって非常に合理的な目的地」
科学者たちは、土星の巨大な衛星タイタンへの有人ミッションの計画を本格化させている。厚い大気と豊富な有機物、そして地球に似た液体の循環(ただし液体はメタン)を持つタイタンは、人類の探査先として意外なほど現実的な選択肢だという。
背景メモ
土星の最大の衛星タイタンは、厚い大気と液体のメタン・エタンからなる湖や海を持つ、太陽系で地球以外に液体が地表に存在する唯一の天体です。気圧は地球の約1.5倍で、宇宙服なしでも厚い防寒着と呼吸用酸素があれば活動可能とされています。2027年打ち上げ予定のNASAのドラゴンフライ計画(回転翼ドローンによる探査)が進行中ですが、本記事ではさらに先の有人ミッションの実現可能性を検討しています。主要な課題は、地球から約12億kmの距離と極寒(地表約-180℃)ですが、低重力(地球の14%)と濃い大気のため、簡単な翼による飛行が可能で、往復には約7年かかるものの、技術的には有人火星探査と比べて「不合理ではない」というのが研究者らの見解です。