米連邦最高裁のFTC判決、EU-米国間データ移転に新たな脅威
米連邦最高裁がFTC(連邦取引委員会)の権限を制限する判決を下し、EUと米国間のデータ移転に新たなリスクが生じている。この判決は、EU-米国データプライバシーフレームワークの安定性を揺るがし、大西洋を越えたデータ流通の法的基盤に不透明感をもたらす可能性がある。
背景メモ
- 米連邦最高裁が2025年6月、FTC(連邦取引委員会)の差止請求権限に関する判断を示した。この判決自体はFTCの執行手続きを制限するものだが、波及効果として、EUが認める「米国企業のデータ保護水準」自体が法的に揺らぐ可能性が生じている。
- EUと米国の間の個人データ移転(EU-US Data Privacy Frameworkなど)は、米国企業がEU人のデータを適切に保護しているという前提に立つ。ところが、米国国内でFTCの執行力が弱まれば、「保護が実効的でない」とEU側が判断し、新たな移転停止や訴訟リスクにつながりかねない。
- この問題は、シュレームス判決(Schrems I/II)で欧州司法裁判所が「Safe Harbor」「Privacy Shield」を次々と無効にしてきた経緯の延長線上にある。EUのプライバシー規制(GDPR)と米国の国家安全保障・商取引の衝突は、データの越境移転をめぐる恒常的な火種となっている。