NIH「All of Us」研究プログラム:世界最大のゲノミクス・健康データベースに
国立衛生研究所(NIH)の「All of Us」研究プログラムは、世界最大かつ最も多様性に富んだ統合ゲノミクス・健康データベースを構築した。このデータベースには100万人以上の参加者の健康情報とゲノムデータが含まれており、多様な集団における疾患メカニズムの解明や個別化医療の推進に貢献することが期待されている。
背景メモ
- 「All of Us」は米国国立衛生研究所(NIH)が2018年に始めた大規模研究プログラム。100万人以上の多様な参加者からゲノム(全遺伝情報)・電子健康記録・生活習慣データなどを収集し、健康の個人差を解明するのが目的。
- 今回の発表で、このデータセットに27万5000人以上の全ゲノム配列が追加され、全体で世界最大級の統合ゲノム・健康データベースになったと報告。データの7割以上はこれまでゲノム研究で過小評価されてきた人種・民族的マイノリティに由来する点が特徴。
- 従来のゲノム研究は欧州系白人に偏っており、新薬の効果や疾患リスクの予測が非白人集団では不正確になりがちだった。All of Usはこの偏りを是正することを主目的の一つとしている。
- 研究者はこの公開データを使って、病気のリスク予測や薬の副作用の個人差、遺伝的要因と環境要因の相互作用などを分析できる。予防医療や精密医療(個別化医療)の進展につながると期待されている。