Germany seeks powers for spies to hack and disrupt attackers
ドイツ政府は、国家安全保障上の脅威に対抗するため、情報機関に対し攻撃者のシステムへのハッキングや妨害活動を許可する新たな権限を求める法案を提出した。この動きは、サイバー攻撃の増加と国内の重要インフラへの脅威の高まりを受けたものであり、プライバシーと監視のバランスをめぐる議論を呼んでいる。
背景メモ
- ドイツ内務省が提案する新法は、連邦情報局(BND)や連邦憲法擁護庁(BfV)といった情報機関に、国外のハッカー集団やテロリストのサーバーに対し攻撃的なサイバー侵入(ハッキング)や妨害工作を実行する権限を与える内容。
- これまでドイツの情報機関は防衛的な情報収集(監視)はできたが、自ら攻撃を仕掛ける「アクティブ・サイバー防御」は原則禁止されていた。今回の法案はこの線引きを大きく変える。
- 背景には、ロシア・中国・北朝鮮など国家支援を受けたサイバー攻撃(政府機関や重要インフラへの攻撃)が近年激増したことがある。ドイツも2023年に与党系ハッカー集団「APT29(Cozy Bear)」などに標的にされた。
- 法案には「ハッキングの巻き添えで第三国の民生インフラが機能停止しないよう厳格な審査を義務づける」などの歯止めも盛り込まれているが、権限拡大には国内でプライバシー団体や野党から強い批判が出ている。
- 本記事は、民主主義国が国家関与のハッカーに対し「報復ではなく事前妨害」に踏み切る世界的な流れの一端を報じている。米国や英国では既に同様の積極的サイバー作戦が行われている。