VK_EXT_present_timingを使用した入力レイテンシの測定
本記事では、Vulkan拡張機能「VK_EXT_present_timing」を活用してシステム全体の入力レイテンシを測定する方法について解説する。著者が趣味のプロジェクトとして取り組んだこの手法では、GPUのフレーム表示タイミングを精密に取得し、入力から画面出力までの遅延を定量的に評価する。従来の計測方法と比較した利点や、実際のゲーム環境での応用例も紹介されている。
背景メモ
- VK_EXT_present_timing は Vulkan(クロスプラットフォームのグラフィックスAPI)向けの新しい拡張機能で、アプリケーションが画像を画面に表示した正確なタイミングをハードウェアレベルで取得できるようにするもの。従来はフレームレート(FPS)の計測が一般的だったが、それだけではキーボードやマウスの入力から画面に反映されるまでの「入力遅延(input latency)」は測れない。
- 著者の Hans-Kristian Arntzen(ハンス=クリスチャン・アルンツェン)は、PCゲームのパフォーマンスに影響する低レベル技術に詳しい開発者。Vulkan 仕様や Mesa(オープンソースGPUドライバ)へのコントリビュータとしても知られる。
- この記事では、GPUベンダーが提供する「Present ID」や「Present Timing」情報を使い、カメラを使わずにソフトウェアだけで入力遅延を高精度に測定する手法が解説されている。ゲーマーやゲーム開発者にとっては、フレームレートだけでは気づけない「体感の遅さ」の原因を特定・改善するための実践的な知見となる。
- 背景として、PCゲーム業界ではここ数年、FPS以外の指標(Latency、Frame Pacing、1% Low FPS)への関心が急速に高まっており、NVIDIA Reflex のような専用技術も登場している。この記事は、ベンダー非依存のオープンな測定手法を提案する位置づけ。