死者76,475人に達し、カナダが安楽死の境界線を見いだす
安楽死および医師による自殺介助(MAiD)の適用範囲をめぐり議論が続くカナダで、2026年7月時点で累計76,475人が安楽死により死亡した。この数字を受け、カナダ政府は安楽死の対象基準を見直し、これまで拡大の一途をたどってきた制度に初めて歯止めをかけようとしている。精神疾患を理由とした安楽死申請の延期や、死亡が差し迫っていない非終末期患者への適用制限などが検討されている。
背景メモ
- カナダの「医師補助自殺(MAiD)」は2016年に合法化され、その後対象が拡大され、精神疾患単独での適用も2027年から認める方向で検討が進められてきた。合法化から10年で約7万6千人に達し、「すべり坂」や「拡大しすぎ」との批判が国内外で高まっている。
- 本記事は、カナダ下院が精神疾患を理由としたMAiDの適用を2027年3月まで再延期する法案を可決した動きを取り上げている。背景には、医療システムの準備不足や、社会的弱者への圧力リスクへの懸念がある。
- MAiDの急拡大は、ベルギーやオランダなど同様の制度を持つ他国でも注目されており、障害者団体や生命倫理学者から「安楽死が安易な医療代替策になっている」との批判が出ている。
- 「安楽死列車(euthanasia train)」という比喩は、一度動き出すと止められない勢いで制度が拡大してきた現状を批判的に表現したもの。