山火事への賭けは放火を招くのか?
気候変動の影響で山火事が増加する中、山火事の発生を金融商品として取引する新しい市場が登場した。しかし、このような「山火事賭博」が、利益目的の放火を誘発するリスクがあると専門家は警告する。規制の枠組みが整わないまま拡大する金融市場の危険性を問う。
背景メモ
• 気候変動で深刻化する山火事リスクを金融商品として取引する「山火事先物」や「山火事債券」が登場し、投資家が気象パターンや乾燥度をもとに山火事の発生確率に賭ける新たな市場が形成されつつある。
• 問題は、こうした金融商品が「山火事が起きた方が儲かる」というインセンティブを生み、実際に放火(arson)を誘発するリスクが指摘されている点。過去には、商品価格を吊り上げる目的で農産物の貯蔵庫に放火した事例など、似た構造の事件が存在する。
• カリフォルニアやオレゴンなど山火事多発地域では保険会社が既に引受けを大幅に縮小しており、山火事関連の金融派生商品は保険市場の代替・補完として提案されているが、規制の枠組みは未整備。
• 本記事は、金融工学と自然災害の交差点に生まれたモラルハザードの可能性について、専門家への取材や過去の類似事例を交えて考察している。