中国、若手科学者向けの権威ある助成金を拡充、競争は緩和されるか
中国は、若手科学者を対象とした国家自然科学基金委員会(NSFC)の助成金制度を大幅に拡充する方針を発表した。特に「優秀青年科学基金」の採択数を増やし、助成額も引き上げることで、激化する研究資金競争の緩和を目指す。しかし、依然として限られた枠に対する応募者数は多く、競争率の改善が実質的に進むかどうかが注目されている。
背景メモ
中国の国家自然科学基金委員会(NSFC)が、「優秀青年科学基金プロジェクト(優青)」の採択数を2026年から大幅に拡大する方針を発表した。これまで年間約600件だった採択枠を約1,200件に倍増。若手研究者(男性38歳・女性40歳以下)向けの競争的資金で、安定した研究費とキャリア上の重要なステータスを得られるため、応募が殺到し「当たりにくい」ことで知られている。
- 中国の科学研究は急拡大してきたが、ポストや研究費をめぐる競争は極度に激化。若手がキャリアを築く障壁になっている。
- 優青はNSFCのグラントの中でも「登竜門」的位置づけで、教授職や大規模プロジェクト獲得への足がかりとされる。
- 今回の倍増は、競争緩和と若手支援強化が狙い。ただし、絶対的なポスト数が増えない限り、グラント取得後のポスト確保競争が残るという指摘もある。
- 中国全体の研究開発費は増え続けているが、若手層にリソースが行き渡っていないという構造問題が背景にある。