カリフォルニアの農家、販売禁止のネクタリンを大量に無料配布
カリフォルニア州の果樹農家が、特許権の関係で販売できないネクタリンを無料で配布している。この農家は何トンもの果実を収穫したものの、特定の品種の販売権を持っていないため、摘み取りや廃棄を余儀なくされている。地元住民らは無料で果物を受け取ることができ、食品ロス削減にも貢献している。
背景メモ
- 知財戦略として農業分野で「品種特許」が行使されるケースが米国で増えており、本件はその象徴的な事例。果樹の品種は植物特許(Plant Patent)の対象で、繁殖・輸出・販売が権利者(多くは大手育種会社や大学)の許諾なく行うと侵害になる。
- カリフォルニアのネクタリン農家が、自ら見つけた自然突然変異の枝(スポーツ)から増殖した木を植え、収穫した実を販売しようとしたところ、親品種の特許権者から侵害を訴えられた。裁判所は差止命令を出し、収穫済みの果実も含めて販売禁止に。農家側は「自然に生えた枝からの果実にまで特許が及ぶのか」と争っているが、現状では数千箱のネクタリンを廃棄するか無料配布する以外に選択肢がない。
- 判決は米国植物特許法(35 U.S.C. § 161-164)の解釈が争点。権利者は「一つの認証品種から派生した果実すべてに権利が及ぶ」と主張。農家側は「偶発的な自然変異まで特許の射程ではない」と反論。
- この問題は果樹農家が抱える根本的なリスクを露呈している:樹木は一度植えると何十年も実をつけるが、その間に品種特許の保護範囲が拡大解釈されれば、収穫物の販売が突然禁じられうる。