マイクロプラスチックが体内に与える影響とは?
私たちの体内に蓄積されるマイクロプラスチックに関する最新の科学的知見を、専門家へのインタビューを通して探る。食品や水、空気などを通じて知らず知らずのうちに取り込まれているこれらの微粒子が、人体の健康にどのような影響を及ぼすのか、現時点で明らかになっていることと今後の研究課題について解説する。
背景メモ
- プラスチックごみが紫外線や波の力で細かく砕けてできる5mm以下の粒子「マイクロプラスチック」。さらに小さいナノプラスチックも含め、大気・水・土壌・食物連鎖を通じて人体に取り込まれている。
- インタビュー対象のキャサリン・ラウアート博士(Cassandra Rauert)はクイーンズランド大学(オーストラリア)の環境毒物学者。国連環境計画(UNEP)や世界保健機関(WHO)と連携し、プラスチックの人体曝露評価の国際標準化を主導している。
- 研究者たちは血液や胎盤、母乳、肺、肝臓、脳などからマイクロプラスチックを検出しているが、現時点では「体内に入っていることは確かだが、健康被害の因果関係は不明」という段階にある。ラウアート博士のチームは、曝露量の正確な測定とリスク評価のための手法開発に取り組んでいる。
- 世界的なプラスチック汚染が政治・社会問題化する中(国連のプラスチック条約交渉など)、この分野は科学・政策双方で急速に注目を集めている。