逸脱の衰退2
本稿は、社会における「逸脱行為」の長期的な減少傾向を分析する。犯罪率や反社会的行動の統計データをもとに、規範からの逸脱がなぜ減っているのか、その社会的・文化的要因を探る。前回の議論をさらに深掘りし、現代社会における逸脱の定義そのものの変化についても考察する。
背景メモ
「The Decline of Deviance」シリーズは、Statistical Abstract of the United States(米国統計概要)の廃刊(2012年)を扱うExperimental Historyの連載。同書は1878年から政府発行のデータ集として機能し、犯罪から失業、教育に至るあらゆる公的統計を一冊にまとめていた。筆者のAndy Matuschakは、政府がこの種の包括的データ整備をやめたこと=「逸脱の衰退」と名指す。シリーズの狙いは、データの中央集権的公開が終わった後の社会が、何を「異常値」として認識し、何を見落とすようになったかを論じることにある。