セックスに、いったい何の意味があるのか?
進化生物学の観点から「なぜ生物は有性生殖をするのか」という根源的な謎に迫る、リクシン・サン著『On the Origin of Sex』の書評。無性生殖のほうが一見効率的にもかかわらず、性が進化において優位性を持つ理由を、遺伝学や生態学の最新研究を交えて考察する。
背景メモ
- レビュー対象の書籍『On the Origin of Sex』(著:Lixing Sun/清華大学・中央ワシントン大学の進化生物学者)は、有性生殖の進化的意義を問い直す一冊。
- 生物学上の古典的パラドックス:有性生殖は無性生殖より非効率(「2倍のコスト」問題)にもかかわらず、ほとんどの真核生物がなぜ性を維持しているのか。
- 伝統的説明(遺伝的多様性の獲得、有害突然変異の除去など)では不十分とし、Sunは「性は主に環境変動への適応力を高めるメカニズム」という新仮説を提示。
- 『ニューヨーカー』誌(2026年6月29日号)掲載の書評記事。同誌は長期にわたり科学・文化の深掘り記事で知られる。