遺伝子改変で絶滅寸前のアメリカグリを復活させる提案
ほぼ絶滅したアメリカグリを復活させるため、遺伝子改変技術を用いた提案が行われている。この提案は、病気に強い遺伝子を導入することで、森林生態系の回復と生物多様性の保全を目指すものだ。
背景メモ
- アメリカグリ(American chestnut)は20世紀初頭まで米国東部の森を支配していた高木だが、アジアから持ち込まれた菌類「クリ胴枯れ病(chestnut blight)」によりほぼ全滅。生態系・木材・食料供給に甚大な打撃を与えた。
- 従来の交配育種では回復が難しく、現在は遺伝子工学を使った復活計画が進行中。特にニューヨーク州立大学(SUNY-ESF)などが開発した「Darling 58」という系統は、小麦などから採取した耐病性遺伝子を導入したもので、政府規制・野外放出許可の審査が焦点に。
- 本記事の背景として、2020年代に入り米国で遺伝子編集(CRISPRなど)を用いた「de-extinction(絶滅復活)」や「遺伝子救済」への関心・投資が急増。マンモス復活計画やドードーの復活プロジェクトなどが注目を集めている。
- しかし野生復帰には生態系リスクや在来種との交雑、先住民コミュニティの同意など倫理的・実務的課題が山積。アメリカグリの事例はその先駆的ケースとして科学界・政策界の注目を集めている。