米国のレアアース、国内需要低迷でアジアへ流出
米国で採掘されたレアアース(希土類)が、国内の需要がなかなか立ち上がらないため、アジアへと流出している実態が明らかになった。供給網の成熟度や加工能力の差が背景にあり、戦略資源の域内活用を目指す米国の取り組みは課題に直面している。
背景メモ
- レアアース(レアアース)は、EV用モーター・風力発電・軍事機器などに不可欠な17元素。中国が精製・磁石製造で世界の約9割を支配しており、供給リスクが地政学課題になっている。
- 米国にはカリフォルニアのマウンテンパスなど大規模鉱山があるが、鉱石を現地で精製・加工する工程が極めて限定的。このため採掘した鉱石はほとんど中国などアジアへ輸出され、そこで高純度の金属や磁石に加工され、再び米国に輸入される。
- 米国政府はバイデン政権下でIRMA法や国防生産法を通じて国内のレアアース・サプライチェーンを強化しようとしてきたが、実際の需要が中国由来の安価な製品に依存し続けており、「掘っても使う場がない」という構図が解消されていない。
- 本記事は、供給安全保障のための上流(採掘)投資が進んでも、中間加工と最終需要が国内で育たなければ意味がない、という政策のジレンマを指摘している。