全ページ・パラリシス(完成目前の麻痺)
「白紙のページの麻痺(ブランクページ・パラリシス)」——何かを始めることの難しさを表す言葉だ。しかし筆者にとって、始めることは簡単で、終わらせることこそが難しい。ソフトウェア業界では「最後の90%」、物流では「ラストマイル」と呼ばれるように、仕上げの段階は不釣り合いに困難を極める。未完成のままであれば「まだ完璧になる可能性がある」と、完成を前にして足がすくんでしまうのだ。
背景メモ
- 著者の Jim Nielsen はソフトウェアエンジニア兼ブロガーで、主にウェブ開発やクリエイティブワークの心理的側面について書いている。
- 「空白ページの麻痺」(白紙恐怖症)は、何かを書き始められない症状を指す有名な概念。
- これに対して「フルページ麻痺」は本稿の造語。完成目前の作品を公開・提出できずに止まってしまう現象を指す。
- 「最後の90%」はソフトウェア開発の業界格言。最初の90%の工数で全体の90%ができたように見えても、残りの10%の完了にさらに90%の工数がかかる、という皮肉。
- 「ラストマイル問題」は物流用語。最終拠点から顧客宅までの短い区間にコストと複雑さが集中する現象。転じてプロジェクト完了直前の難所を指す比喩としても使われる。