スクリューワームの衰退と復活
毎年春になると、メキシコや南テキサスの越冬地から北へと移動を開始したスクリューワーム(幼虫が生きた動物の組織を食い荒らすハエの一種)。長年にわたる根絶努力により一時はほぼ駆除されたが、近年再びその脅威が浮上している。本記事では、スクリューワームの生態と歴史、そして根絶と再興の過程を詳述する。
背景メモ
- **スクリューワーム**は、家畜(ウシ・ヒツジなど)の傷口に卵を産みつけ、幼虫が生きた組織を食い荒らす寄生虫ハエ。放置すると宿主は敗血症で死に至る。
- 20世紀半ば、米国農務省が「不妊虫放飼法(SIT)」を開発。放射線で不妊化したオスを大量放ち、野生個体群を根絶する手法で、1966年までに米国・メキシコから撲滅に成功した。
- しかし2024年、中央アメリカでの防疫体制の弱体化により、コスタリカ・ニカラグア国境付近で再び感染が確認され、米州全体への再侵入リスクが高まっている。
- 温暖化による生息域拡大懸念に加え、抗寄生虫薬に対する耐性も報告され、不妊虫技術の継続的な維持・運用が改めて重要課題となっている。